「過去の生活は食ってしまった飯のようなものである。飯が消化せられて生きた汁になって、それから先の生活の土台になるとおりに、過去の生活は現在の生活の本になっている」

森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
  • 日本出身
  • 小説家、評論家、翻訳家、軍医

原文

「過去の生活は食ってしまった飯のようなものである。飯が消化せられて生きた汁になって、それから先の生活の土台になるとおりに、過去の生活は現在の生活の本になっている」

解説

この言葉は、過去の経験が現在の自分を形作る基礎となっていることを、食事と消化の比喩で表している。食べた飯が体内で消化され栄養となり、生命活動を支えるように、過去の生活や経験も目には見えない形で現在の行動や価値観、思考の基盤となっている。ここでの核心は、過去は単に過ぎ去ったものではなく、現在を生かす養分となって存在しているという洞察である。

森鴎外がこの考えを述べた背景には、彼自身の多彩な経歴と自己省察がある。医師、軍人、作家、翻訳家としての歩みの中で、鴎外は様々な挫折や成功を経験している。それらを単なる思い出としてではなく、現在の判断や創作の源泉として捉えていたからこそ、このような具体的で生活感のある比喩が生まれたと考えられる。

現代においても、この言葉は自己成長や学びの重要性を示す。過去の出来事は変えられないが、その解釈や活かし方は現在の自分次第である。失敗や苦難も含めて、それらを栄養に変えることで、未来の行動や選択をより豊かで強固なものにできるという教えは、あらゆる世代に通用する普遍的な真理である。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「森鴎外」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る