「若い心は弾力に富んでいる。どんな不愉快な事があって、自己を抑圧していても、聊かの弛みが生ずるや否や、弾力は待ち構えていたようにそれを機として、無意識に元に帰そうとする」

- 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、翻訳家、軍医
原文
「若い心は弾力に富んでいる。どんな不愉快な事があって、自己を抑圧していても、聊かの弛みが生ずるや否や、弾力は待ち構えていたようにそれを機として、無意識に元に帰そうとする」
解説
この言葉は、若者特有の精神的回復力について述べている。若い心は弾力性に富み、多少の不愉快や抑圧があっても、心の緊張が少しでも緩むと、自然に元の状態へと戻っていく。これは、身体的な柔軟性や治癒力と同じく、精神にも年齢による柔らかさが存在するという観察である。
歴史的にも、このような若さの回復力は多くの文学や心理学で取り上げられてきた。戦争や挫折などの大きな困難を経験しても、若い世代が短期間で活気を取り戻す例は数多い。年齢を重ねると、この「元に戻る力」は弱まり、むしろ経験や思考の硬直が回復を妨げることがある。
現代においても、この指摘は教育やメンタルケアの場で有効である。若者の弾力を信じ、必要以上に長期的悲観を押し付けないことが、成長を促す鍵となる。この回復力こそが、新しい挑戦や変化を可能にする若さの大きな資産である。
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