「昼の思想と夜の思想とは違う。何か昼の中解決し兼た問題があって、それを夜なかに旨く解決した積で、翌朝になって考えて見ると、解決にも何にもなっていないことが折々ある」

森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
  • 日本出身
  • 小説家、評論家、翻訳家、軍医

原文

「昼の思想と夜の思想とは違う。何か昼の中解決し兼た問題があって、それを夜なかに旨く解決した積で、翌朝になって考えて見ると、解決にも何にもなっていないことが折々ある」

解説

この言葉は、時間帯や精神状態によって物事の見え方や判断が変わるという人間心理の特性を示している。夜は静かで外部からの刺激が少ないため、考え事がまとまりやすく感じられるが、それは往々にして感情や疲労の影響を受けた錯覚であり、翌朝の冷静な思考では通用しない場合が多い。

森鴎外が生きた時代でも、知識人は夜の長考や深酒の席で妙案を得たと感じることがあったが、朝の現実的な視点にさらされると、その案が非現実的であることが露見する。この観察は、感情の高ぶりや環境の影響を冷静に見極める重要性を教えている。

現代においても、夜間に書いたメールや計画が翌朝読み返すと稚拙に思える経験は珍しくない。物事の判断には時間を置き、異なる環境や精神状態で再確認することが、誤った決断を避けるために有効である。

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