「我心は処女に似たり」

- 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、翻訳家、軍医
原文
「我心は処女に似たり」
解説
この言葉は、自分の心の状態を純潔で手つかずの存在にたとえる表現である。「処女」はここで性的な意味だけでなく、外界の経験や汚れに染まっていない、無垢な精神を象徴する。つまり、作者は自らの心がまだ誰にも深く触れられず、独自の領域を保っていることを強調している。
歴史的には、「処女」という比喩は西洋・東洋を問わず、神聖性・純粋性・守られた領域を表す際に用いられてきた。古代ギリシャの女神アテナや、キリスト教の聖母マリア像なども同様の象徴である。この比喩には、容易には心を許さない孤高さや誇りのニュアンスも含まれる。
現代的に解釈すれば、これは「他者や社会の価値観に簡単には染まらない、自分だけの純粋な核を持っている」という自己認識ともいえる。周囲の影響を受けやすい環境にあっても、自分の本質的な部分を守り抜く意志を示す言葉である。
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