「雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫な体を持ち 欲はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている」

- 1896年8月27日~1933年9月21日(37歳没)
- 日本出身
- 詩人、童話作家、農業指導者
原文
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモ マケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 欲ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル」
現代語訳
「雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫な体を持ち 欲はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている」
解説
この詩は、宮沢賢治の死後に手帳から見つかった草稿であり、彼の理想とする人間像を静かに力強く描いている。自然の厳しさ(雨・風・雪・暑さ)に耐え、心身ともに健やかであることがまず強調されている。これは単に肉体的な強さではなく、環境に左右されない精神の強さをも意味している。
続く部分では、欲望を抑え、怒りを持たず、穏やかな笑顔を絶やさないという、内面的な徳の高さが語られている。ここには、人としての理想像、つまり他者を思いやり、無私に生きる人間への憧れが強く表れている。賢治は、自らの農民芸術や宗教的実践を通じて、まさにこのような生き方を目指していた。
この詩は、現代においても多くの人に影響を与えており、震災や困難な時期に再評価されることが多い。静かな強さ、利他の精神、そして怒りに支配されない心の姿勢は、喧騒と情報過多の現代社会において、なおさら貴重である。宮沢賢治がこの詩に込めた思いは、時代を超えて生き方の指針となる普遍的な価値を持っている。
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