「永久の未完成これ完成である」

- 1896年8月27日~1933年9月21日(37歳没)
- 日本出身
- 詩人、童話作家、農業指導者
原文
「永久の未完成これ完成である」
解説
この言葉は、宮沢賢治が生涯を通して追い求めた理想と実践のあり方を象徴する名句である。ここでの「未完成」とは、到達点を持たない不断の努力や向上心を指し、逆に「完成」は終着や停滞を意味するものではないという逆説的な考え方が示されている。成し遂げることそのものよりも、絶えず求め続けることに価値があるという、哲学的で実践的な態度が読み取れる。
宮沢賢治は、自らの信仰(法華経)や農民芸術運動を通して、常に自己改革と社会奉仕に身を投じた人物であった。その生き方はまさに「永久の未完成」であり、完全を求めつつも、それに至らぬ自分を受け入れて進み続ける姿勢そのものが「完成」なのだとする言葉に重みがある。また、賢治は芸術作品においても推敲を重ね、完成を定義しない詩的態度を貫いた。
現代においてもこの言葉は、自己啓発や創造活動、教育、研究、信仰などあらゆる分野で深い意味を持つ。何かを完成させようと焦るのではなく、永続的に学び、試み、変化し続けることこそが人間の成長であり、理想的な完成に近づく唯一の道であるという教えは、不確実性の時代を生きる私たちへの力強いメッセージとなっている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「宮沢賢治」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い