「観た人がちょっと元気になるとか、ちょっと気持ちが新鮮になったとか、そのくらいのところが僕らの狙い目だなあと思うんだけど」

• 1941年1月5日～
• 日本出身
• アニメーション監督、映画監督、脚本家、スタジオジブリ共同創設者

原文

「観た人がちょっと元気になるとか、ちょっと気持ちが新鮮になったとか、そのくらいのところが僕らの狙い目だなあと思うんだけど」

出典

風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡

解説

この言葉は、宮崎駿が映画に求めるささやかながら本質的な価値を語っている。壮大なメッセージや劇的な感動ではなく、観客の心が少しだけ前向きになり、日常が少し違って見えるような小さな変化こそが目指すべき成果であるという姿勢が表れている。

その背景には、映画が人の心に与える影響を過度に誇張するのではなく、現実に寄り添う視点がある。宮崎駿の作品は、派手な演出よりも自然な感情の揺らぎを重視し、観客が自分の感情を静かに見つめ直す時間を与える。これは、創作者としての誠実な姿勢であり、自己満足ではなく観客の生活に寄与する表現を志向している。

現代では刺激的な映像や派手な演出が求められがちだが、この名言は表現とは心の余白を作る営みであると示している。ほんの少しの元気や新鮮さを届けることができれば、それで十分だという視点は、創作における謙虚さと人間理解に基づくものであり、宮崎駿の作品が長く支持される理由の一つとなっている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか？

「宮崎駿」の前後の名言へ

おすすめの関連記事

ウォルト・ディズニー

「私たちのスタジオには天才を置かない」

ウォルト・ディズニー

「私がこれまでにしてきたことの中で最も重要だったのは、共に働く人々をまとめ、その努力をひとつの目標に向けて導くことだった」

宮崎駿

「やっぱり人に喜んでもらうのが好きなんですね。たぶん、それをものすごく気にして生きてるんじゃないかと思います」

宮崎駿

「ほんのわずかでもいいから、一作品ごとに試みるべきだって思いますね。やっぱりそういうことを放棄した途端にね、僕らにとってのアニメーションはただの手段にすぎなくなって、その何かストーリーを説明するための手段であったり、自分の大したことのない言いたいことのため…

宮崎駿

「それは生身の人間が愛だの正義だのって言ったら我慢できないけども、絵で描いたものがやってるぶんにはーーまあ、そのぶんだけ希薄だから許せるとか、観てる側が武装解除できるとかね、『そんなことあり得ねーよ』とか言わないで、まあとりあえず観てみようかという気になる…

ランダムな名言へ

ジャンプ！