「例えば『ドラえもん』の絵を観た瞬間にね、これはリラックスして観ましょう、難しいことを言うのはやめましょう、そのレベルで観ましょうっていうふうにね。あらゆる作品が全部始まった途端に、あるいは始まる前から暗黙の約束事を要求するんです」

- 1941年1月5日~
- 日本出身
- アニメーション監督、映画監督、脚本家、スタジオジブリ共同創設者
原文
「例えば『ドラえもん』の絵を観た瞬間にね、これはリラックスして観ましょう、難しいことを言うのはやめましょう、そのレベルで観ましょうっていうふうにね。あらゆる作品が全部始まった途端に、あるいは始まる前から暗黙の約束事を要求するんです」
出典
解説
この言葉は、映像作品の視覚表現が持つ先導力について語っている。作品の絵柄や雰囲気は、観客に「どういう態度で観るべきか」を無意識に提示する働きを持つ。『ドラえもん』の絵を見たときにリラックスして観ようと思うのは、作品が始まる前から観客の心構えを方向づけている証拠である。
宮崎駿は、この点を非常に重要視しており、絵柄や構図は単なる装飾ではなく、観客との対話の入口だと捉えている。絵が持つ静かな説得力は、言葉よりも早く観客の態度や期待を形成し、映画の受け止め方を決定してしまう。これは映像表現における「暗黙の約束事」であり、創作者はその仕組みを理解し、責任を持って選択すべきだという視点が読み取れる。
現代の映像作品には様々な表現方法があるが、この名言は作品が始まる前にすでに観客との対話が始まっているという事実を示している。視覚表現が与える印象を自覚的に扱うことは、創作者にとって倫理でもあり、観客に対する誠実さでもある。作品の入口に込められた意図を見抜くことは、映画をより深く理解するための鍵となるであろう。
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