「ディズニーの作品で一番嫌いなのは、僕は入口と出口が同じだと思うんですよね。なんか『ああ、楽しかったな』って出てくるんですよ。入口と同じように出口も敷居が低くて、同じように間口が広いんですよ」

- 1941年1月5日~
- 日本出身
- アニメーション監督、映画監督、脚本家、スタジオジブリ共同創設者
原文
「ディズニーの作品で一番嫌いなのは、僕は入口と出口が同じだと思うんですよね。なんか『ああ、楽しかったな』って出てくるんですよ。入口と同じように出口も敷居が低くて、同じように間口が広いんですよ」
出典
解説
この言葉は、宮崎駿がエンターテインメントの在り方に対して抱く批判的視点を表している。ディズニー作品は幅広い観客に開かれ、楽しさを提供する点で優れているが、入口と出口が同じという表現には、観客の感情や思考を揺さぶらず、変化を与えない構造への不満が含まれている。宮崎駿は、映画とは観終わったときに何かが変化しているべきだと考えている。
この批判の背景には、作品に対する教育性や倫理観の重視がある。宮崎駿の作品は、子供向けであっても容易に楽しめるだけではなく、登場人物の葛藤や弱さ、社会の不条理、自然との関係などを通じて観客に問いを投げかける。これは「敷居の高い出口」を意図的に設定することであり、観客に思考や感情の変化を促す構造を与えるという姿勢の表れである。
現代の娯楽産業では、入口の広さ=分かりやすさが重視される傾向にある。しかし宮崎駿は、出口こそが作品の価値を決めると考えている。観終わったときに心が揺れ、何かが残る作品こそが本当の映画であるという信念が、この名言から読み取れる。これは、観客に変化を促すことこそ創作の使命であるという強い問いかけであり、今日の映像表現にも通じる重要な視点である。
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