「で、『トトロ』は後から手に入れたものだけど、やっぱり自分の子供時代に対する一種の手紙なんですよ、綠を全然綺麗だと思えなかった、ただ貧乏の象徴にしか思えなかった自分に対する一種の手紙でした」

- 1941年1月5日~
- 日本出身
- アニメーション監督、映画監督、脚本家、スタジオジブリ共同創設者
原文
「で、『トトロ』は後から手に入れたものだけど、やっぱり自分の子供時代に対する一種の手紙なんですよ、綠を全然綺麗だと思えなかった、ただ貧乏の象徴にしか思えなかった自分に対する一種の手紙でした」
出典
解説
この言葉は、『となりのトトロ』が宮崎駿にとって個人的な和解の作品であったことを明かしている。幼少期には自然の緑を美しいものとして捉えられず、貧しさの象徴としてしか感じられなかった。しかし大人になってからその感性を乗り越え、子供時代の自分へ向けた「手紙」として作品を作ったという視点が示されている。
ここには、創作を通して過去の自分と向き合い、価値観を更新しようとする自己回復の意志がある。自然や緑を肯定的に描くことは、社会的メッセージではなく、まず自分の感覚を塗り替えるための試みであった。これは宮崎駿の作品が単なる娯楽ではなく、作者自身の人生との対話であることを明確に示している。
現代においても、幼少期の感覚や価値観が人を縛り続けることは多い。しかしこの名言は、創作がそれを乗り越える手段になり得ることを教えている。過去を否定するのではなく、作品という形で手紙として送り返す姿勢は、人間が自分の人生を再解釈し直す力を持っていることの証明である。
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