「仏や神は尊いが、仏や神には頼らない」

- 1584年頃~1645年6月13日
- 日本出身
- 剣豪、兵法家、芸術家
原文
「佛神は貴し佛神をたのます」
現代語訳
「仏や神は尊いが、仏や神には頼らない」
解説
この言葉は『独行道』に記された一節であり、宮本武蔵が信仰対象としての仏神を敬いつつも、それに依存しない生き方を貫いたことを表している。「佛神は貴し」は、仏や神を否定するものではなく、宗教的存在の尊さは認めていることを示す表現である。そのうえで「佛神をたのます」と続けることで、信仰や加護に頼るのではなく、自力で道を切り開くことの重要性が強調されている。
武蔵は、兵法者としての修行において、外部の救いや奇跡に望みをかけることを潔しとせず、己の鍛錬と精神力によってのみ高みに到達しようとした。この言葉は、そのような徹底した自立と自己責任の思想を表している。仏教や神道が広く信じられていた時代においても、信仰に身を預けることなく、行動と意志の力で生き抜くという姿勢は異色であり、だからこそ武蔵の言葉には今なお響く力がある。
現代においても、人は困難に直面したとき、目に見えない力や運命にすがりたくなることがある。だが、武蔵のこの言葉は、敬意と依存を明確に分け、人生の舵を自分で握る覚悟の大切さを説いている。尊ぶべきものを尊びながらも、自分の歩みは自分で決めるという精神の潔さが、あらゆる時代を超えて輝く普遍的な哲理である。
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