「すべてのスポーツには、少量のアルコールのように、少量のセンチメンタリズムが含まれている」

三島由紀夫の名言(画像はイメージです)
三島由紀夫の名言(画像はイメージです)
  • 1925年1月14日~1970年11月25日
  • 日本出身
  • 小説家、劇作家、評論家、政治活動家

原文

「すべてのスポーツには、少量のアルコールのように、少量のセンチメンタリズムが含まれている」

解説

この言葉は、三島由紀夫がスポーツに潜む感傷性を鋭く指摘したものである。スポーツは本来、競技や技術、肉体の限界への挑戦を目的とするものでありながら、そこにはわずかに感傷的な情緒が混ざり合い、純粋な闘争心や肉体美に独特の余韻を与えているという認識が示されている。ここでは、無垢な勝負や肉体の輝きの背後に潜む、過ぎゆく時間や儚さへの無意識の共感が語られている。

三島は、スポーツの持つ純粋性を称えつつも、そこにある種のノスタルジーや人間的な弱さが必然的に含まれることを見逃さなかった。たとえば、勝利や記録の追求の中にも、敗北や老い、限界への自覚といったセンチメンタルな側面がしのび込み、スポーツを単なる力の競い合い以上のものにしている。この言葉は、三島が持っていた人間の営みに潜む美と哀しみへの鋭い感受性を象徴している。

現代においても、この洞察は深い意味を持つ。たとえば、スポーツの感動は単に技術の優劣だけでなく、選手たちの努力や葛藤、敗北の涙といった人間的ドラマに支えられているスポーツとは、勝負の厳しさと同時に、人間の儚い情緒をも映し出す鏡である

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