「我々が問題を解決できたのは、他国と協力することによってのみであった。協力しないことは逆説的であった。そしてゆえに、鉄のカーテンに終止符を打ち、国際関係の性質を変え、イデオロギー的対立を取り除き、とりわけ軍拡競争を終わらせる必要があった」

- 1931年3月2日~2022年8月30日(91歳没)
- ソビエト連邦(ロシア)出身
- 政治家、第8代ソビエト連邦共産党書記長・初代かつ最後のソ連大統領
英文
”We could only solve our problems by cooperating with other countries. It would have been paradoxical not to cooperate. And therefore we needed to put an end to the Iron Curtain, to change the nature of international relations, to rid them of ideological confrontation, and particularly to end the arms race.”
日本語訳
「我々が問題を解決できたのは、他国と協力することによってのみであった。協力しないことは逆説的であった。そしてゆえに、鉄のカーテンに終止符を打ち、国際関係の性質を変え、イデオロギー的対立を取り除き、とりわけ軍拡競争を終わらせる必要があった」
解説
この言葉は、ゴルバチョフが国際協調の必然性を説いた発言である。彼はソ連の改革が国内問題の解決だけで達成できるものではなく、国際社会との協力が不可欠であると理解していた。協力を拒否することは時代の流れに逆らうものであり、冷戦構造そのものを克服することが求められていたのである。
歴史的背景として、この発言は1980年代後半の冷戦末期と直結している。米ソの間には「鉄のカーテン」と呼ばれる政治的・軍事的な断絶が存在し、核兵器を背景とした軍拡競争が続いていた。ゴルバチョフはレーガン、ブッシュ両大統領との会談を通じて、軍縮交渉と冷戦の終結を現実のものとした。この言葉は、その外交方針を要約するものである。
現代においても、この名言はグローバル課題に対する協調の必要性を示している。気候変動や感染症対策、国際的な安全保障問題はいずれも一国だけでは解決できない。ゴルバチョフの言葉は、国際協力と相互理解こそが人類共通の課題解決の鍵であるという普遍的な教訓を示している。
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