「市場は文明の夜明けとともに現れたものであり、資本主義の発明ではない。それが人々の福祉の向上につながるのであれば、社会主義と矛盾することはない」

ミハイル・ゴルバチョフ
ミハイル・ゴルバチョフ(画像はイメージです)
  • 1931年3月2日~2022年8月30日(91歳没)
  • ソビエト連邦(ロシア)出身
  • 政治家、第8代ソビエト連邦共産党書記長・初代かつ最後のソ連大統領

英文

”The market came with the dawn of civilization and it is not an invention of capitalism. If it leads to improving the well-being of the people there is no contradiction with socialism.”

日本語訳

「市場は文明の夜明けとともに現れたものであり、資本主義の発明ではない。それが人々の福祉の向上につながるのであれば、社会主義と矛盾することはない」

解説

この言葉は、ゴルバチョフがソ連の改革期に掲げたペレストロイカの思想をよく表している。彼は市場経済を全面否定する従来の社会主義的立場から離れ、市場の歴史的普遍性を強調した。市場は資本主義固有の制度ではなく、人類文明の基盤であり、適切に活用すれば社会主義体制とも両立可能であるという認識が込められている。

時代背景として、1980年代のソ連は停滞と経済危機に直面していた。ゴルバチョフはその克服のために、市場原理の部分的導入や民間経済活動の許容を進めた。これは従来の硬直した計画経済に風穴を開けるものであり、ソ連型社会主義の限界を突破しようとする試みであった。ただし、この政策は国内の混乱を招き、結果として体制崩壊へとつながったという批判も存在する。

現代においては、この発言はイデオロギーを超えた実用主義的視点として重要である。市場経済の導入は必ずしも資本主義への屈服を意味せず、制度や文化に応じて柔軟に組み込むことができる。今日の社会民主主義国家や混合経済体制の多くが、この発想を実践しており、人々の福祉を第一に据えるなら市場と社会主義は対立しないという教訓を示している。

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