「ソ連で改革を始めることができたのは上からだけであり、上からしかなかった。下からのいかなる試みも抑圧され、最も断固とした形で抑え込まれた」

- 1931年3月2日~2022年8月30日(91歳没)
- ソビエト連邦(ロシア)出身
- 政治家、第8代ソビエト連邦共産党書記長・初代かつ最後のソ連大統領
英文
”Starting reforms in the Soviet Union was only possible from above, only from above. Any attempt to go from below was suppressed, suppressed in a most resolute way.”
日本語訳
「ソ連で改革を始めることができたのは上からだけであり、上からしかなかった。下からのいかなる試みも抑圧され、最も断固とした形で抑え込まれた」
解説
この言葉は、ゴルバチョフがソ連の政治体制の性質を率直に語ったものである。ソ連は強大な中央集権体制であり、草の根からの改革運動は徹底的に弾圧される構造を持っていた。そのため、変革を進めるためには、最高指導者自身が改革を主導するしかなかったことを示している。
歴史的背景として、ソ連ではハンガリー動乱(1956年)やプラハの春(1968年)といった民衆による改革の試みが武力で鎮圧されてきた。こうした前例が示すように、下からの動きは体制の存続に対する脅威とみなされ、徹底的に封じられていた。ゴルバチョフ自身が「ペレストロイカ」や「グラスノスチ」を推進できたのは、彼が体制の頂点に立つ存在だったからこそ可能であった。
現代においても、この名言は権威主義体制における改革の難しさを物語っている。民主主義国家では市民運動や世論の圧力が変革を促すが、権力が集中した体制では、しばしば上からの意思決定が唯一の道となる。この言葉は、改革の主体と権力構造の関係を理解するうえで貴重な洞察を与えている。
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