「1985年3月に私がソ連の指導者となった日に、ワルシャワ条約機構諸国の指導者たちと特別な会合を開き、彼らにこう告げた。『あなた方は独立しており、我々も独立している。あなた方は自らの政策に責任を持ち、我々は我々の政策に責任を持つ。我々はあなた方の内政に干渉しないと約束する』」

- 1931年3月2日~2022年8月30日(91歳没)
- ソビエト連邦(ロシア)出身
- 政治家、第8代ソビエト連邦共産党書記長・初代かつ最後のソ連大統領
英文
”On the day I became Soviet leader, in March 1985, I had a special meeting with the leaders of the Warsaw Pact countries and told them: ‘You are independent, and we are independent. You are responsible for your policies, we are responsible for ours. We will not intervene in your affairs, I promise you.’”
日本語訳
「1985年3月に私がソ連の指導者となった日に、ワルシャワ条約機構諸国の指導者たちと特別な会合を開き、彼らにこう告げた。『あなた方は独立しており、我々も独立している。あなた方は自らの政策に責任を持ち、我々は我々の政策に責任を持つ。我々はあなた方の内政に干渉しないと約束する』」
解説
この言葉は、ゴルバチョフが就任当初から東欧諸国への不干渉政策を打ち出したことを示している。従来のソ連は「ブレジネフ・ドクトリン」に基づき、東欧衛星国の反体制運動を軍事介入によって抑えてきた。しかし、ゴルバチョフはそれを否定し、各国の自主性を尊重する姿勢を明確にした。この方針が東欧民主化の潮流を後押ししたのである。
歴史的背景として、1980年代半ばの東欧は経済停滞と自由化要求の高まりに直面していた。ソ連の軍事的後ろ盾がなければ、体制維持は困難であった。ゴルバチョフの不干渉宣言は、1989年の東欧革命やベルリンの壁崩壊につながる大きな転換点となった。彼の約束は単なる外交辞令ではなく、冷戦構造そのものを解体する動因となった。
現代において、この発言は国家間の自立と相互尊重の原則を体現している。大国が小国の内政に干渉することは国際秩序を不安定化させる要因となるが、ゴルバチョフの姿勢はその逆を示した。今日の国際政治でも、主権尊重と不干渉の原則は依然として重要なテーマであり、この言葉はその象徴的な宣言として位置づけられる。
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