「宇宙へ飛び、スプートニクを打ち上げ、そのような防衛システムを築いた国が、女性用ストッキングの問題すら解決できないことを想像してみてほしい。歯磨き粉もなければ、洗剤もなく、生活必需品が欠けている。そんな政府で働くことは信じがたく、屈辱的であった」

- 1931年3月2日~2022年8月30日(91歳没)
- ソビエト連邦(ロシア)出身
- 政治家、第8代ソビエト連邦共産党書記長・初代かつ最後のソ連大統領
英文
”Imagine a country that flies into space, launches Sputniks, creates such a defense system, and it can’t resolve the problem of women’s pantyhose. There’s no toothpaste, no soap powder, not the basic necessities of life. It was incredible and humiliating to work in such a government.”
日本語訳
「宇宙へ飛び、スプートニクを打ち上げ、そのような防衛システムを築いた国が、女性用ストッキングの問題すら解決できないことを想像してみてほしい。歯磨き粉もなければ、洗剤もなく、生活必需品が欠けている。そんな政府で働くことは信じがたく、屈辱的であった」
解説
この言葉は、ゴルバチョフがソ連の経済の矛盾と日常生活の不満を鋭く突いたものである。ソ連は宇宙開発や軍事技術では世界の最先端に立ちながら、一般市民が必要とする日用品の供給に失敗していた。ゴルバチョフはその現実を「屈辱的」と表現し、体制の根本的欠陥を認めている。
歴史的背景として、1980年代のソ連は高度に発展した軍事・宇宙技術と、深刻な消費財不足という二重構造を抱えていた。計画経済の非効率が原因で、生活必需品の供給が滞り、国民の不満は蓄積していた。ゴルバチョフがペレストロイカを始めた動機の一つには、この技術的誇りと生活の乏しさとの落差を是正したいという思いがあった。
現代においても、この名言は国家の発展と国民生活の乖離に対する警告として響く。巨大な軍事力や先端技術を誇っても、日常生活を豊かにできなければ社会は安定しない。ゴルバチョフの言葉は、国家の真の強さは市民生活の充実にあるという普遍的な教訓を示している。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?