「ロシアがこれを目標にしているとは思わないし、ロシアの目標であるべきとも思わない。アメリカでさえ超大国である必要はない。中国も超大国である必要はない。世界はもはや異なるのだ」

ミハイル・ゴルバチョフ
ミハイル・ゴルバチョフ(画像はイメージです)
  • 1931年3月2日~2022年8月30日(91歳没)
  • ソビエト連邦(ロシア)出身
  • 政治家、第8代ソビエト連邦共産党書記長・初代かつ最後のソ連大統領

英文

”I don’t think Russia is setting this as a goal; I don’t think this should be Russia’s goal. I think even the United States doesn’t need to be a superpower. China doesn’t need to be a superpower. It’s a different world.”

日本語訳

「ロシアがこれを目標にしているとは思わないし、ロシアの目標であるべきとも思わない。アメリカでさえ超大国である必要はない。中国も超大国である必要はない。世界はもはや異なるのだ」

解説

この言葉は、ゴルバチョフが冷戦後の国際秩序を見据えて述べた超大国時代の終焉を示す発言である。彼は冷戦構造のもとで米ソが世界を二分してきた現実を経験したが、その結果は軍拡競争や経済的疲弊であり、持続可能ではなかった。ここで強調されるのは、覇権や一極支配を追求することはもはや時代に合わないという認識である。

歴史的背景として、1990年代以降の世界は多極化の方向に進み、経済や政治の力は分散した。ゴルバチョフはその流れを早くから見抜き、超大国を頂点とするヒエラルキー型の国際秩序ではなく、相互依存と協調を基盤とする世界が必要だと考えていた。この発言は、彼の「共通のヨーロッパの家」構想や国際協調の理念と一貫している。

現代においても、この名言は鋭い警告となっている。米中対立やロシアの動向が国際社会を揺さぶる中、ゴルバチョフの言葉は超大国志向の危険性を改めて浮き彫りにする。軍事や覇権による支配ではなく、持続可能な共存の仕組みを築くことが求められているのである。

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