「私が8歳のとき口がきけなくなり、13歳まで口がきけませんでした。その間、私は自分の体全体を耳のように感じていて、人混みの中に入ってもじっと座り、あらゆる音を吸収できました。その才能や能力は今日まで続き、私を支えてくれています」

- 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家
英文
”When I was 8 years old I became a mute and was a mute until I was 13, and I thought of my whole body as an ear, so I can go into a crowd and sit still and absorb all sound. That talent or ability has lasted and served me until today.”
日本語訳
「私が8歳のとき口がきけなくなり、13歳まで口がきけませんでした。その間、私は自分の体全体を耳のように感じていて、人混みの中に入ってもじっと座り、あらゆる音を吸収できました。その才能や能力は今日まで続き、私を支えてくれています」
解説
この言葉は、アンジェロウの幼少期の沈黙の体験と、それが彼女の感受性を育んだ経緯を語っている。彼女は幼い頃のトラウマにより数年間言葉を発することができなかったが、その間に周囲の音や人々の声を鋭敏に感じ取る力を身につけた。言葉を失ったことが、逆に観察力と詩的感性の養分となったのである。
歴史的に見ると、この体験は彼女の後の詩人・作家としての活動に直結している。周囲の世界を耳と心で深く吸収することによって、彼女は人間の感情や社会の不条理を表現する独自の声を得た。つまり、苦難の経験が創造的才能へと転化した稀有な例である。
現代においても、この言葉は大きな示唆を与える。困難や沈黙の時間は決して無駄ではなく、新しい感性や力を育てる契機となり得る。アンジェロウの体験は、逆境をどのように意味づけ、成長の糧にするかを示す力強い証言である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?