「恐怖の中で生きることはアメリカの多くの白人にとっては新しい経験でしたが、黒人はこの国で400年以上も恐怖の中で生き続けてきました」

- 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家
英文
”Living in a state of terror was new to many white people in America, but black people have been living in a state of terror in this country for more than 400 years.”
日本語訳
「恐怖の中で生きることはアメリカの多くの白人にとっては新しい経験でしたが、黒人はこの国で400年以上も恐怖の中で生き続けてきました」
解説
この言葉は、マヤ・アンジェロウがアメリカにおける人種差別の歴史的持続性を鋭く指摘したものである。特定の出来事や時代において白人が一時的に恐怖を経験したとしても、それは黒人が奴隷制度やリンチ、公民権運動以前から直面してきた構造的で長期的な恐怖とは比較にならないことを示している。
背景として、アメリカにおける黒人の歴史は17世紀の奴隷貿易に始まり、奴隷制廃止後もジム・クロウ法や人種暴動、制度的差別が続いた。アンジェロウは自身の生涯を通じて、詩や自伝の中で黒人が受けてきた暴力と恐怖を描き出し、この現実を忘れてはならないと訴えた。ここで語られているのは、一時的な恐怖と日常化された恐怖の根本的な違いである。
現代においても、この言葉は人種的不平等や警察暴力の問題を考える上で重要である。社会の一部の人々が新たに恐怖を感じる出来事があったとき、その経験を黒人の歴史的苦難と重ねることで、より深い理解と連帯が可能になる。つまりアンジェロウは、歴史的視点を持つことで真の平等と正義を追求すべきだと私たちに訴えているのである。
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