「誰かに自分を養ってもらえるなんて期待したことはありませんでした。けれども、夢見がちで子どもっぽい憧れの中では、ジューン・アリスンの映画に出てくる白い柵のある家を望んでいました。それがまるで空を飛ぶことを夢見るような、叶わぬ憧れだと知りながら。」

- 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家
英文
“I never expected anyone to take care of me, but in my wildest dreams and juvenile yearnings, I wanted the house with the picket fence from June Allyson movies. I knew that was yearning like one yearns to fly.”
日本語訳
「誰かに自分を養ってもらえるなんて期待したことはありませんでした。けれども、夢見がちで子どもっぽい憧れの中では、ジューン・アリスンの映画に出てくる白い柵のある家を望んでいました。それがまるで空を飛ぶことを夢見るような、叶わぬ憧れだと知りながら。」
解説
この言葉は、現実的な自立心と子どもじみた理想への憧れの対比を描いている。アンジェロウは自分の人生において、誰かに養ってもらうという依存の考えを持っていなかった。しかし同時に、アメリカ的理想像の象徴である「白い柵のある家」(安定した家庭生活のメタファー)に惹かれたと述懐している。
ジューン・アリスンは戦後のハリウッドで「理想の妻・母」を演じることで知られ、その映画の家庭像は多くのアメリカ人にとって夢の象徴であった。しかしアンジェロウは、それが現実から乖離した「飛ぶことを夢見る」ような幻想であると自覚していた。この自覚が、彼女の人生哲学である現実的な強さと夢への憧れの両立を示している。
現代的に解釈すると、この言葉は「自立した人生を送る中でも、人は誰しも夢想する理想像を持ち続ける」という人間らしさを語る。夢が非現実的であっても、それを持つこと自体が人生の彩りとなり、現実を歩む力ともなるのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?