「作家が身につける大きな技芸の一つは、『いいえ、もう終わりです。さようなら』と言い、それ以上手を加えない術だと私は知っています。作品を徹底的に書き込みすぎて台無しにすることはしません。作品から命を奪うようなことはしないのです。私はそうはしません」

マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
マヤ・アンジェロウ(画像はイメージです)
  • 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家

英文

”I know that one of the great arts that the writer develops is the art of saying, ‘No. No, I’m finished. Bye.’ And leaving it alone. I will not write it into the ground. I will not write the life out of it. I won’t do that.”

日本語訳

「作家が身につける大きな技芸の一つは、『いいえ、もう終わりです。さようなら』と言い、それ以上手を加えない術だと私は知っています。作品を徹底的に書き込みすぎて台無しにすることはしません。作品から命を奪うようなことはしないのです。私はそうはしません」

解説

この言葉は、創作における「終わらせる勇気」の重要性を語っている。作家にとって作品を完成させるのは容易ではなく、より良くしようと書き直し続ける誘惑がある。しかしアンジェロウは、過剰に手を加えることはかえって作品の生命力を失わせると警告している。つまり、創作においては「ここで終わり」と区切る判断も芸術の一部である。

アンジェロウは詩人として、言葉の響きやリズムを大切にしていた。過度に推敲を重ねれば、自然な流れや情感が失われてしまう。そのため彼女は、作品が持つ生命力を保つために、必要以上に手を加えない姿勢を貫いた。この態度は、表現における誠実さと直感の尊重を反映している。

現代の創作者にとっても、この名言は大きな示唆を与える。デジタル技術の発展により、作品はいくらでも修正可能になったが、それが必ずしも良い方向に働くとは限らない。したがってこの言葉は、作品に命を宿すには完成のタイミングを見極める感性が必要であるという普遍的な真理を教えているのである。

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