「黒人は南部を理解しています。その重みを理解しているのです。それは私たちの背にのしかかってきました…私は、その土に足を踏み入れれば心が壊れてしまうとわかっていました。その土は湿っていて、いまだに古い傷を抱えているからです。私は恐怖と嫌悪の源に向き合わなければなりませんでした。そうしなければ、それは私を丸ごと呑み込んでしまったでしょう」

- 1928年4月4日~2014年5月28日(86歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、作家、歌手、舞台俳優、公民権運動活動家
英文
”Black people comprehend the South. We understand its weight. It has rested on our backs… I knew that my heart would break if ever I put my foot down on that soil, moist, still, with old hurts. I had to face the fear/loathing at its source or it would consume me whole.”
日本語訳
「黒人は南部を理解しています。その重みを理解しているのです。それは私たちの背にのしかかってきました…私は、その土に足を踏み入れれば心が壊れてしまうとわかっていました。その土は湿っていて、いまだに古い傷を抱えているからです。私は恐怖と嫌悪の源に向き合わなければなりませんでした。そうしなければ、それは私を丸ごと呑み込んでしまったでしょう」
解説
この言葉は、アメリカ南部と黒人の歴史的関係を深く表現している。アンジェロウは南部の土を「古い傷を抱えるもの」として描き、その土地が奴隷制や人種差別の記憶と切り離せない重みを持つことを語っている。黒人にとって南部は単なる地理的な場所ではなく、苦痛と抑圧の象徴であった。
背景には、南北戦争後も続いたジム・クロウ法と制度的人種差別がある。南部は黒人にとって恐怖と屈辱の記憶を宿す土地であり、そこに向き合うことは精神的な試練であった。アンジェロウは、その重さを逃避するのではなく直視し、恐怖と嫌悪を克服することで自己を解放しようとしたのである。
現代においても、この言葉は大きな意味を持つ。歴史的な不正義の記憶は、個人や共同体に深い影響を与え続けている。アンジェロウの言葉は、過去を直視しなければ前進できないという普遍的な真理を示しており、和解や癒しには勇気をもって源へ向き合うことが必要であることを教えている。
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