「話をしてみたり、顔つきを見てみたり、あるいは才能試験のようなことをしてみれば、ある程度のことはわかるだろうが、ほんとうのところはなかなかわからない」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「話をしてみたり、顔つきを見てみたり、あるいは才能試験のようなことをしてみれば、ある程度のことはわかるだろうが、ほんとうのところはなかなかわからない」
出典
人を活かす経営
解説
この言葉は、人間の本質を見極めることの難しさを説いている。会話や表情、さらには試験といった手段である程度の能力や性格は測れるが、それだけではその人の真価や内面の深さを完全に知ることはできないという考えである。人間は複雑で多面的であり、表面的な情報から全てを判断するのは危うい。
松下幸之助は、経営者として多くの人材と接する中で、採用や登用において人を見る難しさを痛感していた。外見や一時的な言動に惑わされるのではなく、時間をかけて実際の働きぶりや姿勢を観察することが重要だと理解していたのである。ここには、人間を見る目の慎重さと謙虚さが表れている。
現代社会においても、この教えは大きな意味を持つ。面接や試験だけで人材を判断することは限界があり、実務や日常的な行動の中にこそ、その人の本質が現れる。教育や人材育成の場でも、表面的な評価にとどまらず、長期的にその人を見て判断する姿勢が必要である。すなわち、人を理解するには簡単な方法はなく、根気と謙虚さが不可欠なのである。
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