「経営には完成ということがないのであって、絶えず生成発展していくものであり、その過程自体が一つの芸術作品だともいえよう。そういう意味において、経営は生きた総合芸術であるともいえる」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「経営には完成ということがないのであって、絶えず生成発展していくものであり、その過程自体が一つの芸術作品だともいえよう。そういう意味において、経営は生きた総合芸術であるともいえる」
出典
実践経営哲学
解説
この言葉は、経営の本質を「生成発展」にあると捉えたものである。経営はある一点で完成するものではなく、常に変化し、発展し続ける過程そのものに価値があると説いている。松下幸之助は、その動的な姿を芸術作品になぞらえ、経営とは静的な「完成品」ではなく、常に進化し続ける「生きた芸術」であると表現した。
この思想の背景には、戦後復興から高度経済成長へと移り変わる激動の時代がある。経済環境、技術革新、社会的ニーズが絶えず変化する中で、一度成功したからといって安住していてはすぐに時代遅れとなる。経営者に求められるのは、完成を目指すことではなく、生成し続ける姿勢であり、その変化の過程こそが経営の本当の価値であると考えたのである。
現代においてもこの視点は普遍的である。AIやデジタル技術の進展により、企業の在り方は日々変化している。そこで重要なのは「完成形」を追うことではなく、変化を取り込み続ける柔軟性と創造性である。経営を芸術にたとえる松下の発想は、経営者が自らの仕事を単なる管理ではなく、社会を形づくる創造的行為として捉えるべきであることを示している。
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