「私自身についていえば、だいたいにおいて年功序列七十パーセント、抜擢三十パーセントというような感じでやってきた」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「私自身についていえば、だいたいにおいて年功序列七十パーセント、抜擢三十パーセントというような感じでやってきた」
出典
人事万華鏡
解説
この言葉は、人事や組織運営におけるバランスの重要性を示している。松下幸之助は、年功序列によって安定と秩序を保ちながらも、それだけに頼るのではなく、有能な人材を見出して積極的に抜擢する必要があると考えていた。つまり、伝統的な枠組みを大切にしつつも、柔軟さを取り入れることで組織を活性化させる方針を実践していたのである。
この背景には、戦後日本の企業社会に根強く存在した年功序列制度がある。当時は勤続年数や年齢によって処遇が決まるのが一般的であったが、それだけでは組織の硬直化を招く危険があった。松下はこの制度の利点を活かしながらも、状況に応じて能力ある人材を抜擢し、組織の新陳代謝を促すことで、成長と安定を両立させようとしたのである。
現代社会においても、この考え方は示唆に富んでいる。年功を尊重することで組織の安心感を保ちつつ、才能を持つ若手や新しい発想を積極的に登用することが求められる。過度に年功や抜擢のどちらかに偏れば不公平感や混乱を生むが、両者を適度に組み合わせることで組織全体の活力を維持できる。この名言は、人事制度の柔軟な運用とリーダーの判断力の大切さを示しているといえる。
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