「景気はくり返すというが、人間の本質のとおり動いているのではないかと思う。特に心がけのいい人は、理性をもって困難を克服する。いっぱい食わないで、いつも八分目に食っておく。そのかわり、ある一定期間ちゃんとためておく」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「景気はくり返すというが、人間の本質のとおり動いているのではないかと思う。特に心がけのいい人は、理性をもって困難を克服する。いっぱい食わないで、いつも八分目に食っておく。そのかわり、ある一定期間ちゃんとためておく」
出典
仕事の夢 暮しの夢
解説
この言葉は、景気の循環と人間の生活習慣を重ね合わせて説いている。景気には必ず好況と不況の波があり、それは人間が本来持つ生活のリズムや心のあり方と同じであるという考えである。特に「八分目に食べる」ことを例に、不況に備えて余裕を残し、一定の蓄えをしておくことが、困難を理性的に克服する方法だと説いている。
背景には、松下幸之助の「ダム経営」の思想がある。好況時にすべてを消費せず余裕を蓄え、不況時に備えるという姿勢は、戦後の不安定な経済状況を経験した彼ならではの実感に基づいている。景気の波を避けることはできないが、それを受け入れつつ、備えをすることで安定した経営が可能になるという考え方である。
現代社会においても、この名言は普遍的な意義を持つ。企業における内部留保や家庭の貯蓄は、不測の事態に備える重要な手段である。景気循環や予測不能の危機に対応するためには、好況期にこそ節度を守り、将来に備えることが必要である。この名言は、経済や人生のリズムを理解し、理性をもって対応する姿勢の大切さを教えている。
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