「小事にとらわれて大事を忘れてはならないが、小さな失敗は厳しく叱り、大きな失敗に対してはむしろこれを発展の資として研究していくということも、一面には必要ではないかと思う」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「小事にとらわれて大事を忘れてはならないが、小さな失敗は厳しく叱り、大きな失敗に対してはむしろこれを発展の資として研究していくということも、一面には必要ではないかと思う」
出典
指導者の条件
解説
この言葉は、失敗への向き合い方についての深い洞察を示している。日々の仕事において、小さな失敗には注意を払い、厳しく指導することで基本の徹底を図る必要がある。一方で、大きな失敗に対しては感情的に叱責するのではなく、それをきっかけに原因を分析し、今後の発展に活かす視点を持つべきだという、バランスの取れた指導の姿勢が語られている。
松下幸之助は、「失敗は成功のもと」という言葉を単なる理想論でなく、実際の経営において実践してきた人物である。小さなミスは習慣や心構えの乱れを示す兆候として見逃さず、逆に大きな失敗はそれまでの仕組みや判断を抜本的に見直す好機と捉えていた。失敗を恐れず、そこから学び取る姿勢こそが企業や人材の成長に必要であるという哲学が、この言葉には込められている。
現代の組織においても、この考え方は有効である。例えば、軽視されがちな小さなミスが積み重なることで大事故につながることがあるため、初動での厳格な対応が必要である。一方で、大きな失敗を責任追及だけで終わらせると、教訓が残らず、再発防止にもつながらない。失敗の大小に応じた柔軟な姿勢と、それを組織の知恵に変える力が、健全で強い集団を築く鍵となる。
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