「商品をお客様にお買いいただくということは、自分の娘を嫁にやるのと同じで、そのお得意先と自分の店とは、新しく親戚になったことになる。かわいい娘の嫁ぎ先がお得意様であるということになる」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「商品をお客様にお買いいただくということは、自分の娘を嫁にやるのと同じで、そのお得意先と自分の店とは、新しく親戚になったことになる。かわいい娘の嫁ぎ先がお得意様であるということになる」
出典
商売心得帖
解説
この言葉は、商品を売ることを単なる取引ではなく、人間的な結びつきと捉える姿勢を示している。松下幸之助は、自らの商品を「娘」にたとえ、顧客に買ってもらうことを「嫁入り」と表現することで、顧客との関係を血縁に近い絆として強調した。ここには、商品を大切に育て送り出す気持ちと、顧客を新たな親戚のように尊重する誠意が込められている。
背景には、松下が「商売は人と人との心のつながりである」と繰り返し説いた経営観がある。顧客を一時的な相手としてではなく、長く続く関係を築く大切な存在として捉えることが、信頼と繁栄を生む基盤になると考えた。売買を契約や利益の視点だけでなく、心情や縁に重ねる姿勢は、日本的な商人道にも通じるものである。
現代においても、この教えは生きている。たとえばブランド品の販売や長期利用されるサービスでは、顧客は購入後もその品質や対応を通じて販売者と関係を持ち続ける。もし販売者が「嫁ぎ先」として顧客を大切に扱えば、商品への信頼は深まり、長い付き合いが生まれる。つまり、商品を売ることは縁を結ぶことであり、その縁を大切にする心が商売繁盛の源泉なのである。
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