「今はそういう最高位にある事業部の部長、会社であれば社長、会長という人がいちばん率先してあたる、それで見本を見せる。『こういうように販売するんや、こういうように売りこむんだ』ということをやれるだけの人でなくてはいかん」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「今はそういう最高位にある事業部の部長、会社であれば社長、会長という人がいちばん率先してあたる、それで見本を見せる。『こういうように販売するんや、こういうように売りこむんだ』ということをやれるだけの人でなくてはいかん」
出典
松下幸之助発言集 第28巻
解説
この言葉は、組織のトップに立つ者こそが最前線に立ち、自ら手本を示すべきだという強いリーダーシップ論を示している。名ばかりの指導者ではなく、実際に「どう売るか」「どう働くか」を自ら示し、部下に見せて導く力がなければ、真の意味での経営者とは言えない。指示を出すだけでなく、現場の第一線に立つ覚悟が求められている。
松下幸之助は、自らも創業者として販売の現場に立ち続けた経験を持ち、口先の経営ではなく「行動によって導く」ことの重要性を身をもって知っていた。戦後の混乱期や高度成長期において、トップ自らが現場に立つことで士気を高め、信頼を得ることが何よりの推進力となった。だからこそ、社長や会長といった最高責任者であっても「見本を見せる」ことを怠ってはならないと強調したのである。
現代においても、現場感覚を失ったリーダーは、社員との信頼関係を築けず、組織の活力を損なうことがある。たとえば営業改革を進める企業において、トップ自らが顧客対応に参加し、成果を上げてみせることで、全社員の意識改革が進むという例は少なくない。どんな時代であっても、リーダー自身が率先して行動する姿勢は、組織を動かす最も強い力となる。
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