「人生にはどうにもならないこともあります。もう逃げるに逃げられない、死ぬに死ねないということもあるのです。それでも志さえ失わずにいれば、やれるわけです」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「人生にはどうにもならないこともあります。もう逃げるに逃げられない、死ぬに死ねないということもあるのです。それでも志さえ失わずにいれば、やれるわけです」
出典
君に志はあるか――松下政経塾 塾長問答集
解説
この言葉は、人生には自分の力ではどうにもならない局面があるという現実を直視している。そのような極限状態においても、人間が最後まで失ってはならないものは「志」であると松下幸之助は説く。つまり、逃げ場のない状況に置かれたとしても、志を支えにすれば生き抜き、前進する力を見いだせるということである。
松下自身の人生も、病弱や貧困といった避けられない運命に彩られていた。しかし彼は、それらを「どうにもならないこと」として受け入れながらも、経営者としての志を保ち続けた。高度経済成長を支える企業を築き得たのは、まさにこの「志を失わない姿勢」が基盤にあったからである。時代背景の厳しさを考えれば、この言葉は現実と理想をつなぐ彼の人生観を端的に表している。
現代においても、この考えは変わらない。たとえば社会的な不況や個人の病、予期せぬトラブルなど、避けられない事態に直面したとき、志を持ち続けることが唯一の支えとなる。志を失わなければ、困難を越える方法や支援を見つけることができる。名言は、絶望の中にあっても人が生き抜く力を与える、普遍的な励ましの言葉なのである。
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