「一部は私が使うことは許されるけれども、その大部分の金は世間からの委託金だ。法律上はおれのものであろうとも、おまえの仕事をもっと増やせという委託金である」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「一部は私が使うことは許されるけれども、その大部分の金は世間からの委託金だ。法律上はおれのものであろうとも、おまえの仕事をもっと増やせという委託金である」
出典
仕事の夢 暮しの夢
解説
この言葉は、経営者の持つ資金や資産の本質的な意味について述べたものである。形式上は会社の代表者である自分の資金であっても、それはあくまで社会からの信託であり、社会的使命の実現のために託されたものであるという強い倫理観と責任感がにじみ出ている。
松下幸之助は、たとえ自分のものであっても「自由に使ってよい金」とは考えず、それを「世間のために使うべき金」としてとらえている。つまり、これは経営資源を私物化してはならないというメッセージであり、「もっとよい商品をつくれ」「雇用を増やせ」「社会に貢献せよ」という無言の期待に応える義務があるという自覚である。
現代においても、企業が大きくなるほど社会的責任も増す。たとえば、企業が得る利益は株主だけでなく、従業員・顧客・地域社会に還元されるべきものとされる「ステークホルダー資本主義」の考え方にも通じる。資金や利益を「社会からの委託金」とみなす視点は、経営者が驕ることなく、常に公益にかなう経営判断を行うための指針となる。これは、現代の企業倫理にも通じる普遍的な考え方である。
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