「人間関係や商売など何ごとにおいても、自然の理にかなっていれば必ず事は成る」

• 1894年11月27日～1989年4月27日（94歳没）
• 日本出身
• 実業家、発明家、パナソニック（松下電器産業）創業者、「経営の神様」

原文

「人間関係や商売など何ごとにおいても、自然の理にかなっていれば必ず事は成る」

出典

人生心得帖

解説

この言葉は、あらゆる営みが自然の理に従うことで必ず実を結ぶという思想を示している。自然の理とは、人為的な作為や欲望に左右されない普遍的な道理のことであり、人間関係における信頼や誠実、商売における正直や公正といったものが含まれる。松下幸之助は事業を進めるうえで、こうした自然の法則に従うことが長期的な成功の基盤であると考えていた。

この言葉の背景には、戦前から戦後にかけて激動の時代を生き抜いた経験がある。当時の経済環境は不安定で、短期的な利潤を追い求める誘惑も多かった。しかし彼は、自然の理に基づいた経営、すなわち人や社会に役立つ正しい道を歩むことが、結果として事業を繁栄させると強調したのである。これは単なる道徳的な理想ではなく、歴史的に実証された実践知であった。

現代社会においても、この考え方は有効である。企業の不正が明るみに出ると信用を失い、持続的な成長は望めない。また人間関係でも、無理に取り繕ったものは長続きせず、自然の理にかなう誠実さや思いやりがあってこそ絆は深まる。デジタル社会においても、透明性や公正さを保つ姿勢が信頼を築き、事業や人間関係を発展させる基盤となる。

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