「人間は、見方によれば、九十パーセントまでは運命によって決められている、と言ってよい。残り十パーセントを自分の意志で左右することができるのだ、と」

松下幸之助(画像はイメージです)
松下幸之助(画像はイメージです)
  • 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
  • 日本出身
  • 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」

原文

「人間は、見方によれば、九十パーセントまでは運命によって決められている、と言ってよい。残り十パーセントを自分の意志で左右することができるのだ、と」

出典

若さに贈る

解説

この言葉は、人生の大部分は自らの力ではどうにもならない運命によって決まっているという現実認識を示している。その一方で、松下幸之助は、残されたわずかな部分にこそ人間の自由と可能性があると考えた。つまり、与えられた境遇を嘆くのではなく、運命の枠内でいかに工夫し、努力するかが人生を左右するという教えである。

この思想の背景には、松下自身の体験がある。彼は幼少期に病弱で学校教育も十分に受けられず、貧困の中で育った。しかし、その「九〇パーセント」の制約を受け入れた上で、残された「一〇パーセント」に自分の意志を集中させたことで、後に大きな事業を成し遂げたのである。この視点は、過酷な時代を生き抜くための現実的な人生観とも言える。

現代においても、この考え方は有効である。たとえば、出生環境や社会的条件は自分で選べないが、努力の方向性や人との関わり方は自らの選択で変えられる。この一〇パーセントを意識的に活かすことで、人生の質は大きく変化する。名言は、与えられた運命を受け入れつつ、自分の手で切り拓ける余地に全力を注ぐことの重要性を説いているのである。

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