「人は悪だからという理由で悪を選ぶことはありません。ただそれを自らが求める幸福、すなわち善と誤解するのです」

- 1759年4月27日~1797年9月10日(38歳没)
- イギリス出身
- 作家、哲学者
英文
”No man chooses evil because it is evil; he only mistakes it for happiness, the good he seeks.”
日本語訳
「人は悪だからという理由で悪を選ぶことはありません。ただそれを自らが求める幸福、すなわち善と誤解するのです」
解説
この言葉は、人間の行為の動機に対する哲学的洞察を表している。人は本来「善」や「幸福」を求めて行動するが、その判断を誤ることで結果的に「悪」を選んでしまうのである。著者はここで、悪の根源を意図的な選択ではなく、理性や認識の欠陥に見出している。
この考え方は、古代ギリシャ哲学、特にソクラテスやプラトンの思想に通じる。彼らもまた「人は知っていて悪を選ばない」と説き、無知こそが悪の原因であるとした。著者はその伝統を引き継ぎつつ、啓蒙思想の文脈において教育と理性の必要性を強調していると考えられる。
現代においても、この名言は深い意味を持つ。例えば環境破壊や社会的不正に加担する行為も、多くは「便利さ」や「利益」といった形で誤った幸福を追求した結果である。つまり、悪を防ぐためには人々が善と幸福を正しく見極める理性と知識を持つことが不可欠である。この言葉はその普遍的な真理を鋭く表現しているのである。
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