「もし人間の抽象的な権利が議論と説明に耐えうるものであるならば、同じ理屈によって女性の権利もまたその試練から逃れることはありません」

メアリ・ウルストンクラフト(画像はイメージです)
  • 1759年4月27日~1797年9月10日(38歳没)
  • イギリス出身
  • 作家、哲学者

英文

”If the abstract rights of man will bear discussion and explanation, those of women, by a parity of reasoning, will not shrink from the same test.”

日本語訳

「もし人間の抽象的な権利が議論と説明に耐えうるものであるならば、同じ理屈によって女性の権利もまたその試練から逃れることはありません」

解説

この言葉は、人権の普遍性を主張するものである。18世紀後半、フランス革命やアメリカ独立戦争の影響で「人権」が広く論じられたが、それはしばしば男性に限定されていた。著者は、もし「人の権利」が理性によって正当化されるのであれば、女性の権利も同じ理性によって正当化されなければならないと論じている。

この発言には、当時の社会的矛盾への鋭い批判が込められている。男性は「理性ある存在」として自由と平等を主張しながら、女性を教育や政治の場から排除していた。著者はその論理の不整合を突き、理性に基づく権利論であれば女性も当然に含まれるはずだと強調したのである。

現代においても、この言葉は普遍的な意義を持つ。人権や平等が語られる際、しばしば少数派や弱者がその対象から外されることがある。しかしこの名言は、真に普遍的な権利は例外を認めないという原則を示している。ジェンダー、民族、宗教を超えて、理性が認める権利は誰に対しても等しく適用されるべきだという強いメッセージなのである。

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