「私はインドに行き、とても心を奪われました。そこには、物事はまず神聖であり、その次に役に立つという感覚があるのです」

メアリー・オリバー(画像はイメージです)
メアリー・オリバー(画像はイメージです)
  • 1935年9月10日~2019年1月17日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、作家、ピュリッツァー賞受賞者

英文

”I went to India and was quite taken with it. There’s a feeling there that things are holy first and useful second.”

日本語訳

「私はインドに行き、とても心を奪われました。そこには、物事はまず神聖であり、その次に役に立つという感覚があるのです」

解説

この言葉は、メアリー・オリバーがインドで体験した精神文化の価値観を描写している。西洋的な「役に立つこと」を第一に置く実利的な考え方とは異なり、インドには「神聖さ」を優先する世界観があると彼女は感じ取った。つまり、物の価値は実用性だけでなく、精神的・宗教的意義によって規定されるという認識である。

オリバー自身の詩もまた、自然や日常の小さな事象を「役立つかどうか」という観点ではなく、神聖な驚異として捉える姿勢に貫かれている。インドでの経験は、その詩的視点と深く響き合ったと考えられる。彼女が自然や生命を「聖なるもの」として扱った背景には、このような異文化の体験も影響しているのである。

現代社会では、効率や生産性が重視されがちだが、この言葉は役立つ以前に尊重すべき価値があることを思い起こさせる。例えば自然環境の保護や伝統文化の継承は、実用性よりも神聖さや意味のために守られるべきものである。オリバーの気づきは、実利主義を超えて人間の精神的豊かさを回復する手がかりとなるのである。

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