「私は決して面白い仕事に就かないようにとても気をつけていました。もし面白い仕事に就いたなら、あなたはそれに夢中になってしまうからです」

- 1935年9月10日~2019年1月17日(83歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、作家、ピュリッツァー賞受賞者
英文
”I was very careful never to take an interesting job. If you have an interesting job, you get interested in it.”
日本語訳
「私は決して面白い仕事に就かないようにとても気をつけていました。もし面白い仕事に就いたなら、あなたはそれに夢中になってしまうからです」
解説
この言葉は、仕事と人生との距離感をめぐる逆説的な洞察である。多くの人が「面白い仕事に就く」ことを理想とするが、ここではむしろそれを避けるべきだと警告している。背景には、仕事に没頭することで本来の関心や創造性が奪われてしまう危険性があるという考えがある。つまり、仕事に魅了されることで人生の自由を失うという恐れである。
この名言の著者は、詩人としての創造活動において仕事とのバランスを強く意識していたと考えられる。20世紀後半のアメリカ社会では「自己実現のためのキャリア」が盛んに語られていたが、彼女の立場はその流れに抗するものであった。詩作や自然との関わりに心を注ぐためには、仕事を自己目的化しないことが重要であるとしたのである。
現代においても、この視点は有効である。例えば、仕事に依存してしまうと家庭や趣味、内面的な探究が疎かになる。一方で、仕事をあくまで生活の手段とし、自分の関心を別の領域に保つことで、より多様で豊かな生き方が可能になる。この名言は、キャリア至上主義に偏りがちな現代人に、仕事との適切な距離を保つことの大切さを示しているのである。
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