「すべての科学的進歩が、機構や機械、歯車に還元できるものだと信じさせてはなりません。たとえそれらの機械にも美しさがあるにせよです。また私は、冒険の精神がこの世界から消えてしまう危険があるとは思っていません」

- 1867年11月7日~1934年7月4日
- ポーランド出身(後にフランスで活動)
- 物理学者、化学者、教育者
英文
“We should not allow it to be believed that all scientific progress can be reduced to mechanisms, machines, gearings, even though such machinery also has its beauty. Neither do I believe that the spirit of adventure runs any risk of disappearing in our world.”
日本語訳
「すべての科学的進歩が、機構や機械、歯車に還元できるものだと信じさせてはなりません。たとえそれらの機械にも美しさがあるにせよです。また私は、冒険の精神がこの世界から消えてしまう危険があるとは思っていません」
解説
この言葉は、科学の本質が単なる技術的成果や機械的構造に収まるものではなく、創造性や探究心といった精神的要素を不可欠とするというマリー・キュリーの信念を表している。彼女は、科学が進歩するにつれて「機械」や「装置」が注目されることには理解を示しながらも、それだけで科学の価値を語ることに対しては強い警戒心を抱いていた。
「冒険の精神」に言及している点は、未知を恐れず挑み続ける勇気と好奇心が、科学における最も重要な原動力であることを強調している。マリー自身も、放射能という未知の領域に身を投じ、膨大な労力と犠牲を払って研究を進めてきた。その経験から、科学は技術ではなく、精神の冒険であるべきだという哲学がにじんでいる。
現代の科学技術はAIや自動化などますます機械化されていく一方で、「人間の精神性」がなお重要であることを見失わないようにという警鐘としても、この言葉は価値を持つ。知的な冒険と創造力が、機械を超えて未来を切り拓く——それが、マリー・キュリーが遺した深いメッセージである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?