「あなたや私は道路や鉄道で移動しますが、経済学者はインフラで移動するのです」

- 1925年10月13日~2013年4月8日
- イギリス出身
- 政治家、弁護士、化学者
英文
“You and I come by road or rail, but economists travel on infrastructure.”
日本語訳
「あなたや私は道路や鉄道で移動しますが、経済学者はインフラで移動するのです」
解説
この言葉は、日常の現実と経済理論との視点の違いをユーモアを込めて表現している。マーガレット・サッチャーは、経済学者たちが「インフラ(社会基盤)」という抽象概念を中心に議論を展開するのに対し、一般の人々は実際の道路や鉄道といった具体的な手段で移動しているという皮肉を通じて、理論と現実との乖離に注意を促している。
この名言は、1980年代のサッチャー政権が直面していた経済再建の過程での政策立案と実務現場との緊張関係を反映している。サッチャーは、現実的な手触りのある改革――民営化、インフラ整備、競争の導入――にこだわる一方で、理論に偏重する経済学者や官僚に対して批判的な姿勢を取ることもあった。この言葉には、抽象論よりも現場主義を重んじる実務家の感覚がにじんでいる。
現代においても、政策やビジネスの場では、理論と実行、計画と実態のギャップがしばしば問題となる。この名言は、「理屈だけで動いては見失うものがある」という警告であり、現実の暮らしや国民の体験を無視した議論は無意味であるという、強い実務的リアリズムを示す教訓的な言葉である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い