「私たち保守党は失業を憎みます」

- 1925年10月13日~2013年4月8日
- イギリス出身
- 政治家、弁護士、化学者
英文
“We Conservatives hate unemployment.”
日本語訳
「私たち保守党は失業を憎みます」
解説
この言葉は、保守政党に対する「冷淡で経済重視のみ」といった批判的なイメージへの反論として語られたものである。マーガレット・サッチャーは、市場原理に基づく政策を推進する一方で、失業そのものが人間の尊厳と自立を損なう深刻な問題であるという認識を持っていた。ここで「hate(憎む)」という強い言葉を使っているのは、失業に対する感情的・倫理的な立場を明確にする意図がある。
この名言は、1980年代において彼女が進めた構造改革――国有企業の民営化や労働市場の自由化――が短期的に失業率の上昇を招いたことへの政治的反応としての意味合いも強い。彼女は、一時的な痛みを伴う改革の先にこそ、持続的な雇用と経済成長があると信じていた。そのため、改革がもたらす失業は望ましいものではなく、長期的には真の雇用を生む基盤作りであると主張した。
現代においても、この言葉はイデオロギーを超えて雇用の尊さとその政策的優先度を再確認するための重要な視点を提供する。保守的であっても、経済の冷たい数値ではなく、人間の生活と尊厳を守ることが本質であるという、サッチャーの現実主義と人間観が凝縮された名言である。
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