「私の政党の中にはまだ合意の政治を信じている人々がいます。私は彼らをクイズリング、すなわち裏切り者だと見なしています…本気です」

- 1925年10月13日~2013年4月8日
- イギリス出身
- 政治家、弁護士、化学者
英文
“There are still people in my party who believe in consensus politics. I regard them as Quislings, as traitors… I mean it.”
日本語訳
「私の政党の中にはまだ合意の政治を信じている人々がいます。私は彼らをクイズリング、すなわち裏切り者だと見なしています…本気です」
解説
この発言は、マーガレット・サッチャーの強硬なリーダーシップと反妥協的な政治姿勢を端的に示している。ここで使われた「クイズリング」という言葉は、第二次世界大戦中にナチスに協力したノルウェーの政治家ヴィドクン・クイズリングに由来し、極めて強い裏切りの意味を持つ。サッチャーは、党内の穏健派や合意重視の政治家たちを痛烈に批判し、信念に基づく政治を貫くべきだと主張した。
この発言の背景には、1970〜80年代のイギリス保守党内部における「コンセンサス政治」への反発がある。福祉国家と政府介入を当然視する戦後の政策路線に対し、サッチャーは小さな政府、自由市場、自己責任といった原則を掲げて強く対立した。彼女にとって、「合意」や「中庸」はしばしば原則の放棄や惰性の継続に過ぎず、改革の妨げでしかなかった。
現代においても、この名言はリーダーシップと党内多様性の在り方を考える上で示唆に富む。強い信念に基づく決断と、多様な意見をすり合わせる合意形成とのバランスは、あらゆる組織や政党が直面する課題である。サッチャーの姿勢は、妥協を拒んででも信念を貫く価値があるのかという問いを我々に突きつけている。
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