「私の時代に、女性が首相や財務大臣、外務大臣のようなトップの職に就くことはないでしょう。いずれにせよ、私は首相になりたいとは思いません。自分を100パーセント捧げなければならないのですから」

- 1925年10月13日~2013年4月8日
- イギリス出身
- 政治家、弁護士、化学者
英文
“No woman in my time will be prime minister or chancellor or foreign secretary – not the top jobs. Anyway, I wouldn’t want to be prime minister; you have to give yourself 100 percent.”
日本語訳
「私の時代に、女性が首相や財務大臣、外務大臣のようなトップの職に就くことはないでしょう。いずれにせよ、私は首相になりたいとは思いません。自分を100パーセント捧げなければならないのですから」
解説
この言葉は、マーガレット・サッチャー自身が語った意外な“かつての予測”とその後の現実との鮮烈な対比を示している。若き日のサッチャーは、当時の社会や政治における女性の立場を冷静に見て、女性が「トップの役職」に就くことは非現実的だと感じていた。また、首相という職務の過酷さを理解していたからこそ、自分がそれを望むこともないと語ったのである。
しかし、この名言は後年において、まさにサッチャーがその「不可能」を覆し、英国初の女性首相として歴史を塗り替えた事実と強烈な対照を成す。それは、個人の内面に芽生えた予測と、行動と信念によって切り開かれる現実との間にある可能性を証明する逸話となっている。サッチャー自身がこの言葉を後にどう受け止めていたかは定かではないが、「道がない」と思われる場所にも、自らの意志で道を切り開けるということを彼女の生涯が物語っている。
この言葉は、現代の若者や特に女性に対して、「今の自分が見ている限界は、将来の自分の真の限界ではない」という力強いメッセージを投げかける。過去の否定的な自己評価が、後の実現された歴史といかに反転するかを示す、極めて象徴的な名言である。
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