「良きサマリア人が単に善意を持っていただけなら、人々は彼を覚えていなかったでしょう。彼にはお金もあったのです」

マーガレット・サッチャーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
マーガレット・サッチャーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1925年10月13日~2013年4月8日
  • イギリス出身
  • 政治家、弁護士、化学者

英文

“No one would remember the Good Samaritan if he’d only had good intentions; he had money as well.”

日本語訳

「良きサマリア人が単に善意を持っていただけなら、人々は彼を覚えていなかったでしょう。彼にはお金もあったのです」

解説

この言葉は、善意だけでは現実の助けにはならず、実際に行動するためには経済的な力も必要であるという現実主義的な視点を示している。マーガレット・サッチャーは、道徳や慈善を否定していたわけではなく、「善をなすには手段が要る」という現実を直視していた。この名言は、理想と実践のあいだに橋をかけるには、資源=経済力が必要であることを簡潔に伝えている。

この言葉の元となっている「良きサマリア人」は、聖書に登場する慈悲深い人物であるが、サッチャーはその善行が「善意」だけでなく、「行動力と資金」によって実現された点に着目している。彼女は国家運営においても、理念や同情心だけでなく、財政の健全性や経済的裏付けが不可欠であると考えており、それが福祉政策や援助のあり方における彼女の基本姿勢となっていた。

現代においても、この名言は道徳的行動と経済的基盤の関係を再認識させる。善意は人を動かす出発点だが、実際に社会を変え、人を助けるには、計画と資源が必要である。サッチャーのこの言葉は、理想主義と実務主義を両立させるための知恵として、今なお大きな意味を持つ。

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