「空気の中に、宥和政策の悪臭を感じるようです」

マーガレット・サッチャーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
マーガレット・サッチャーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1925年10月13日~2013年4月8日
  • イギリス出身
  • 政治家、弁護士、化学者

英文

“I seem to smell the stench of appeasement in the air.”

日本語訳

「空気の中に、宥和政策の悪臭を感じるようです」

解説

この言葉は、敵対者に譲歩することへの強烈な拒絶と警戒感を表現している。マーガレット・サッチャーは、歴史的な教訓、特に第二次世界大戦前のナチス・ドイツに対するイギリスの宥和政策の失敗を強く意識しており、「宥和(appeasement)」という言葉に対して極めて否定的であった。この名言は、妥協や譲歩が結果的により大きな脅威を招くという警告として機能している。

この発言は1980年代、ソ連に対して融和的な外交姿勢を示そうとする一部の西側政治家や世論に向けられたものであったとされる。サッチャーは、冷戦というイデオロギーの対立の中で、安易な対話や妥協ではなく、確固たる立場と防衛力による抑止こそが自由を守る道であると信じていた。その信念は、彼女の外交政策、特に米国との強固な関係に色濃く表れている。

現代の国際政治においても、侵略や人権侵害に対してどこまで妥協を許すべきかという問いは常に存在する。この言葉は、一見穏健に見える譲歩が長期的に見れば自由や秩序を脅かすことになるという視点を提示し、私たちに「原則を守るためにどこで線を引くべきか」を考える機会を与える名言である。

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