「私はウーマン・リブには何の恩義も感じていません」

- 1925年10月13日~2013年4月8日
- イギリス出身
- 政治家、弁護士、化学者
英文
“I owe nothing to Women’s Lib.”
日本語訳
「私はウーマン・リブには何の恩義も感じていません」
解説
この発言は、フェミニズム運動、特に1970年代以降の「ウーマン・リブ(女性解放運動)」に対する距離感を明確に示している。サッチャーは、女性の権利向上の恩恵を受けて首相になったわけではなく、自らの能力と努力によって地位を築いたという強い自負を持っていた。そのため、集団的な運動や被害者意識に依拠するフェミニズムとは一線を画していた。
彼女が登場した時代、女性が国家指導者となることは極めて異例であり、多くの障壁があった。しかしサッチャーは、「女性であること」に頼ることなく、むしろ男性的な強さと論理を武器にして政界を勝ち抜いた。その姿勢からは、「女性だから支援されるのではなく、誰であれ実力で道を切り開くべきだ」というメッセージが読み取れる。
現代の視点ではこの発言は物議を醸す可能性もあるが、それゆえに個人主義的フェミニズムと集団的フェミニズムの間にある思想的な溝を象徴する言葉でもある。サッチャーの生き方は、女性の地位向上に実質的な影響を与えつつも、運動としてのフェミニズムには与しなかったという、複雑な位置に立つ女性リーダーの姿を浮かび上がらせている。
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