「私はほとんどすべてを父に負っています。そして、小さな町のとても質素な家で学んだことこそが、選挙に勝利をもたらしたと私が信じているというのは、私にとって非常に興味深いことなのです」

- 1925年10月13日~2013年4月8日
- イギリス出身
- 政治家、弁護士、化学者
英文
“I just owe almost everything to my father and it’s passionately interesting for me that the things that I learned in a small town, in a very modest home, are just the things that I believe have won the election.”
日本語訳
「私はほとんどすべてを父に負っています。そして、小さな町のとても質素な家で学んだことこそが、選挙に勝利をもたらしたと私が信じているというのは、私にとって非常に興味深いことなのです」
解説
この言葉は、マーガレット・サッチャーの政治的信念や倫理観の源が、きわめて私的で素朴な家庭環境にあったことを明かすものである。サッチャーは、商店主だった父アルフレッド・ロバーツの影響を深く受け、自助努力、節度、責任感、公共奉仕の精神といった価値観を幼少期から叩き込まれた。彼女がここで語っているのは、政治的成功はエリート教育や特権階級の出自ではなく、家庭と地域社会で育まれた基本的な信念に基づいているということにほかならない。
この発言は、1979年にイギリス初の女性首相として選出された後に語られたものであり、その勝利が、複雑な理論や戦略ではなく、平凡で正直な価値観の訴求によってもたらされたという実感を込めている。サッチャーは一貫して「普通の人々の常識こそが国家を立て直す力になる」と信じており、その立場をこの言葉で明確にしている。
この名言は現代でも、成功の源が必ずしも特権や高度な教育にあるわけではなく、むしろ家庭や地域の中で育まれた「当たり前の価値」こそが力を持つことを教えている。リーダーシップや信頼は、偉大な原則よりも、生活に根ざした誠実な姿勢から生まれるという、普遍的で力強いメッセージが込められている。
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