「すべての家庭には、税を納めた後の自分たちのお金を、政府の指図ではなく、自らの望むように使う権利があるべきです。選択肢を広げ、選ぶ意志と選ぶ機会を広げましょう」

- 1925年10月13日~2013年4月8日
- イギリス出身
- 政治家、弁護士、化学者
英文
“Every family should have the right to spend their money, after tax, as they wish, and not as the government dictates. Let us extend choice, extend the will to choose and the chance to choose.”
日本語訳
「すべての家庭には、税を納めた後の自分たちのお金を、政府の指図ではなく、自らの望むように使う権利があるべきです。選択肢を広げ、選ぶ意志と選ぶ機会を広げましょう」
解説
この言葉は、個人の自由と自己決定権を重視する政治哲学を力強く表明している。マーガレット・サッチャーは、国家が個人や家庭の生活に過度に介入することを嫌い、自由市場と小さな政府を信奉する立場から、財政的自由こそが真の自由を支える土台であると考えていた。税を納めた後の資金の使い道を、国ではなく市民自身が決めるべきだという主張が、この名言には込められている。
この発言の背景には、1970〜80年代のイギリスにおける高税率政策と政府支出の肥大化への反発がある。サッチャーは、福祉国家のあり方を見直し、自由競争と自己責任を原則とする経済政策へと転換を図った。その際に掲げられたのが、「選択の拡大」であり、教育・住宅・医療などあらゆる分野で国の一律な管理から、個々人の判断と選択の自由へと方針をシフトしたのである。
現代社会においても、国家と個人の関係をどう調整するかという問題は続いている。この言葉は、自由とは「与えられるもの」ではなく「選べること」から始まるという本質を示し、経済的・社会的な自立を志すすべての人々に、主体性と責任を伴う自由の重要性を強く訴える名言である。
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