「民主主義国家は、テロリストやハイジャック犯が頼りにしている宣伝という名の酸素を断つ方法を見つけなければなりません」

マーガレット・サッチャーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
マーガレット・サッチャーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1925年10月13日~2013年4月8日
  • イギリス出身
  • 政治家、弁護士、化学者

英文

“Democratic nations must try to find ways to starve the terrorist and the hijacker of the oxygen of publicity on which they depend.”

日本語訳

「民主主義国家は、テロリストやハイジャック犯が頼りにしている宣伝という名の酸素を断つ方法を見つけなければなりません」

解説

この言葉は、テロ行為の拡散と報道の関係性に対する鋭い洞察を示している。サッチャーは、テロリズムが単なる暴力行為にとどまらず、世間の注目や政治的影響力を得るための情報戦でもあると理解していた。特に自由な報道が保障される民主主義国家においては、過度な報道が結果的にテロリストの目的達成に加担する危険があるという問題を提起している。

この発言は1985年、保守党大会での演説でなされたものであり、IRAによる英国国内でのテロ活動が活発だった時期を背景にしている。サッチャーは、暴力によって注目を集め、政治的譲歩を引き出そうとする動きに対し、毅然とした無視と情報制限の戦略が必要であると主張した。彼女のこの姿勢は、言論の自由と国家安全保障のバランスという難題に正面から向き合った結果である。

現代のSNSやライブ報道の時代においても、この名言は重要な示唆を持つ。テロ事件や犯罪行為が瞬時に全世界に拡散される現代では、「報じる自由」と「報じない責任」の線引きが極めて困難である。サッチャーの指摘は、自由社会におけるメディアと政府の在り方に、今なお鋭い問いを投げかけている。

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