「時間とは出来事が流れていく一種の川のようなものであり、その流れは激しい。何かが目の前に現れるや否や流され、別のものがその場所を占め、そしてそれもまた流されていく」
- 121年4月26日~180年3月17日
- ローマ帝国
- ローマ皇帝
- ストア派哲学の影響を受け、また『自省録』を著し、哲学的指導者として理想的な統治を実践し、後に五賢帝と評された
英文
“Time is a sort of river of passing events, and strong is its current; no sooner is a thing brought to sight than it is swept by and another takes its place, and this too will be swept away.”
日本語訳
「時間とは出来事が流れていく一種の川のようなものであり、その流れは激しい。何かが目の前に現れるや否や流され、別のものがその場所を占め、そしてそれもまた流されていく」
解説
この名言は、時間の流れの速さと、物事の無常を象徴的に描写している。マルクス・アウレリウスは、ストア哲学の中で、人生や宇宙の変化を受け入れ、儚さを恐れるのではなく、その中に秩序と美を見出すことを説いた。この言葉は、物事が絶えず移り変わる現実を認識し、執着を手放す重要性を教えている。
「時間は川のようなもの」という比喩は、出来事や経験が一瞬ごとに消え去り、次のものに取って代わられるという事実を分かりやすく表現している。また、「これもまた流されていく」という部分は、どんなに強烈な感情や出来事も最終的には過ぎ去り、時間の流れの中に吸収されるという普遍的な真理を指している。ストア派の哲学では、こうした無常性を認識することで、外的なものに執着せず、内なる平穏を保つことが奨励される。
現代において、この名言はストレスや過去への執着を手放す助けとなる教訓を提供している。たとえば、困難な状況に直面したとき、時間が経てばその苦しみも消え去ることを思い出すことで、冷静に対応する力が湧いてくる。また、この考え方は、幸福な瞬間をより意識的に味わい、変化を自然なものとして受け入れる心の柔軟性を育むのにも役立つ。この名言は、時間の本質を理解し、儚さの中に深い価値と意味を見いだすための哲学的な視点を提供している。
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